補聴器の基本

補聴器と集音器の違い

補聴器
 補聴器は医療機器として認められた製品で、ご利用者の聴こえ具合によって専門的な調整を行い販売されているものが多いです。

集音器
 集音器はその名のとおり、音を集めて大きくする機器で一般的には「全ての音を大きくする」ものです。
 医療機器ではないので、聴力補助のための細かな調整もできません。

補聴器の種類

耳あな型補聴器
 ⚫︎ 耳の中に納まるタイプ
 ⚫︎ マスクなどの邪魔になりにくい
 ⚫︎ 小型だが電池交換が必要な器種もあり手先の器用さを求められることもある

耳かけ型補聴器 <RICタイプ>
⚫︎ 小型で耳の後ろでも目立ちにくい  機能が豊富
⚫︎ 幅広い聴力に対応
⚫︎ 充電タイプが多く電池交換が不要 耳かけ型補聴器〈BTEタイプ〉
⚫︎ 耳の後ろにかけるタイプ
⚫︎ 取扱いしやすい
⚫︎ 寿命が長い

初めて補聴器をお使いの方へ
補聴器を装用すると、これまで長い期間、聞こえ なかった音が聞こえてきます。
⚫︎ 補聴器をつけて最初に戸惑うのは「うるさい」という事です。 自動車の音、空調の音、人の ざわめき… 周囲は様々な音が          
  発生しています。
⚫︎補聴器の必要な方は、次第に聞こえなくなってきた人が殆どですので、長い間、静かな世界に 慣れています。補聴器によっ
 て聞こえてくる環境音は、昔は聞こえていたのですが、それが突 然によく聞えるようになり、本来の音がうるさく感じられ
 ても当然なのです。
⚫︎「練習はゆっくりあわてずに」
⚫︎補聴器は、初めは上手く使えない場合があります。例えば…
  • 思っていた様に聴こえない
  • 雑音がする
  • 周りがうるさい
  • 耳が塞がる、自声がこもる
• 操作がわからない、面倒
  • 装着が難しい、耳が痛い
⚫︎これらは、補聴器の調整で直ることもありますし、「装用練習」や慣れることで解決できるこ ともあります。
⚫︎この初期の段階で諦めず、焦らずゆっくり、長期的に考える位でなければなりません 。

補聴器を有効に活用しましょう
⚫︎残る聴力を最大限に活かし、よりよく聴くには社会性や行動力も影響します。聴こえないからと、コミュニケーションを避
 けていては、聴力は低下します。
⚫︎こちらから話しかけにいく位の積極的な姿勢が聴力の低下を防ぎ、聴く能力を高めます。
⚫︎聴こえの低下の弊害は、聴力の低下そのものより、人との対話が不足することです。他者とのコミュニケーション能力が衰
 えることです。
⚫︎「よく聴こえない、だから話さない、話しかけてくれない」という状態が長く続くと、会話を理解する能力、話す能力も衰えてしまいます。更には、耳から入る音声情報による刺激は少なくなる上、人との交流までなくなれば、脳の老化が進むかもしれません。
⚫︎聴覚の低下を抑え、補聴器を有効に活用し、積極的な交流が大切です。そうすれば、聴く能力も活性化されて、鋭敏な反応も維持できると言えるのではないでしょうか。

補聴器は出来るだけ両方のお耳で使いましょう

両耳に補聴器をつけるメリット
メリット1
 より自然な状態での聞き取りが可能です。
  ⚫︎本来の両耳のきこえ機能を活かす
メリット2
 騒音下でも聞き取りやすくなります。
  ⚫︎両耳の機能を最大限活かす
メリット3
 片耳で聞くより小さい音量で聞き取れます。
  ⚫︎耳への負担が減る
メリット4
 外出時の安全性が向上します。
  ⚫︎近づいてくるものに早く気づくことができる
  ⚫︎危険を察知する能力

両耳装用の装用効果

  • 騒がしい場所では、 両耳装用と片耳装用で聞きとりのスコアの 開きが大きいテーブル

低い精度で自動的に生成された説明
  • 補聴器1年間使用後の主観的評価によるデータ(スカンジナビアンオージオロジーより)